盂蘭盆（お盆）の由来

　お盆とは「盂蘭盆」の略称で、「盂蘭盆」の語源はサンスクリット語の「ウランバーナ（＝逆さに吊り下げられた苦しみ）」を意味します。
盂蘭盆会は「地獄で逆さ吊りにされて苦しむ先祖の魂を救う法要」という意味になります。
　これからのお施餓鬼の由来とお盆の由来について、お釈迦様のお弟子さんの阿難尊者と目連尊者の故事をもとにお話しします。

　阿難尊者が修行しているとある日、目の前に口から火を吐いた餓鬼が現れました。この餓鬼は「口焔餓鬼」と呼ばれ、六道の餓鬼道に住む人のことです。
見た目は瘦せ細っておりお腹が膨れ、喉は針のように細く、絵のような姿をしています。
　餓鬼は阿難尊者に「お前の寿命はあと3日だ。死後は餓鬼界道に堕ちるだろう。助かりたいのなら、たくさんの餓鬼やお坊さん等に対して多くの供物（飲食物）を施せ」と言ったそうです。
阿難尊者はそんなたくさんの施す供物はなく、非常に困りました。
　そこで、阿難尊者はお釈迦様にどうしたらよいのか教えを請いました。
お釈迦様から「供物を備えてこの経文を唱えれば、供物が増えて救いこぼさず皆に施すことができる」と教えられ、施餓鬼を行い、阿難は寿命を延ばして天寿を全うすることができたと伝えられており、これが施餓鬼会の由来と言われています。

　一方、目連尊者はお釈迦様のお弟子様で神通力の第一人者でした。
あるとき亡き母を思い出して六道を探されました。子供を思うあまりの生前の行いが原因で、優しく奇麗だった母が変わり果てた姿で食べ物も飲み物も火焔に変わり、飲むことも食べることもできない餓鬼道で苦しんているのを見つけます。
　神通力を以って母を救おうとしても叶わず、お釈迦様に救いを求めました。
するとお釈迦様から「夏安居の修行がおわる7月15日に修行者に対して食べ物、飲み物を施してお参りをしてもらいなさい。そうすれば、お母さんは餓鬼道の苦しみから逃れられるだろう」と教えられました。
　これがお盆の由来と言われています。

　お盆やお施餓鬼は、地獄や餓鬼道等でで苦しむ亡者等を救うことができるほど功徳のある行事・法要であり、故人を偲ぶことのできる大切なひとときなのです。