
お盆の精霊棚の由来とお祀りの仕方

お盆の精霊棚の由来
地方や地域の慣習によって異なりますが、昔は家の軒下や庭に青竹を切って四方の柱に祭壇を設えて、こもや筵(むしろ)を敷いてお位牌や経木卒塔婆等を奉安し、提灯を吊り、供物を供えてお祀りしたことから「精霊棚」や「盆棚」と言われてました。
その盆棚を廻ってお参りしていたことから棚経と言われるようになったようです。(諸説あり)
今日では、住宅事情等からお仏壇の前や横に精霊棚を設えたり、お仏壇の前に御供物台を置いて供物を供えてお盆を迎える方、また新佛様用に精霊棚を設えて、ご先祖様はお仏壇でお祀りされる方も多くなってきているように思います。
精霊棚のお祀りの仕方

※精霊棚の下に無縁佛へのお供えをします。
お水(お茶)、ご飯、果物等をお盆等にのせてお供えします。
先ほど述べたように、最近の住宅事情等を考えて仏壇の前に精霊棚を設える仕方を基にお話ししたいと思います。
お飾りは上図のイラストがモデルになりますが、新たに祭壇等を購入しないでも、家にある供物台・ローテーブル等を使ってお飾りしてもらえばいいかと思います。
お盆のお供え物(精霊棚)

※精霊棚のお祀りの一例です。
・真菰(真菰):敷物 | ・三具足、五具足 |
・御霊供膳(1対:2膳) | (燈明、香炉、花立) |
・時季の野菜や果物 | ・おりん |
・故人の好きな食べ物 | ・灯籠(行燈) |
・ほおずき | ・提灯 |
・きゅうりとナス | ・だんご |
・水の子 |
・真菰(まこも):敷物(白布)
お釈迦様が編んだ真菰のござに病人を寝かせて解放した故事に習い、真菰は「病を治す」「邪気を祓う」という意味を持つ霊草として佛事や神事で用いられています。
・御霊供膳

御霊供膳は、本来2膳お供えします。ご本尊様とご先祖様それぞれにお供えします。
スペースの都合で1膳だけお供えされることが多いようです。
海の物・山の物・里の物を使ってお料理をしてお供えします。
詳しくは、こちらで述べさせて頂きます。
・時季の野菜や果物

時季の野菜や果物をお供えします。
これはお盆に限らず、初物が採れた時には収穫に感謝してご先祖様や神棚等にお供えして下さい。
・故人さまの好きな食べ物

お肉やおさかな料理、お酒やたばこ等はご佛前にお供えすることを控えて下さい。
故人さまがお好きだったお料理等を作られた時は、小皿に取り分けて食卓に陰膳としてお供えし故人さまを偲んで頂くのがいいかと思います。
・ほおずき

ほおずきが手持ち提灯に似ていることから、新佛様やご先祖様が帰って来られるときに足元を照らす明かりや目印になるようにとお供えします。
・きゅうりとナス

きゅうりで精霊馬、なすびで精霊牛を作ってお供えします。
馬に乗って早く帰って来て欲しい、帰りはお土産を沢山積んでゆっくり帰って欲しいとの願いから出来たものです。
・水の子
ナスときゅうりをさいの目に切り、お米とお水を合えたものをお供えします。
無縁佛さまや餓鬼を供養するためにお供えします。
みずみずしく喉を通りやすいように心を尽くしたお供えものです。
・だんご

「迎え団子」「供え団子」「送り団子」と色々な呼び方やお供えの仕方があるようですが、ご先祖様たちにおもてなしをするために多種多様な種類のお団子をお供えする習慣があります。
※ お祀りの仕方は「宗旨宗派」「地域」「出身地」によって異なりますし、それぞれのお家で護り続けていることもあるかと思います。
大切なことは「ご先祖様への報恩謝徳の想い」と「近しい亡き方々への想い」だと思います。
あまり形式にとらわれ過ぎないように、供養は十人十色、あなたの想う供養のカタチを創造して欲しいと思います。
気になることや不安なことは菩提寺さんや身近なお坊さん、葬儀社・仏壇仏具屋さんに尋ねてみて下さい。
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